Uganda Project 第10章【浄化槽設置候補地の現地視察を開始】2025.11.27/Uganda Project, NEWS
経済産業省の支援制度「J-Partnership」による補助金事業 https://j-partnership.go.jp/として、浄化槽のテスト設置に向けた候補地選定が、本格的に動き出しました。
本事業では、カンパラ市を中心に、ウガンダ各地で浄化槽導入の可能性を調査することが目的です。7月の事業開始以降、KCCA(カンパラ首都庁)およびマケレレ大学と連携し、合計14か所の現地視察を実施しました。
各施設では、排水量、敷地条件、既存の処理方式と問題、管理体制などの観点から評価を行いました。視察結果をもとに評価シートを作成し、複数回の協議を経て、最終的に5か所をテスト設置の重点候補地として選定しました。現在は、各候補地で水質検査を行っており、結果を待つ段階です。

選定された5つの重点候補地
カンサンガ小学校(Kansanga Primary School)
低地に位置し、過去にバイオトイレや湧水処理の実証が行われたことのある施設です。学校側の理解も得られ、管理体制が確立していることから、学校施設の代表例として選定しました。
ルビリ中等学校(Lubiri Secondary School)
大規模で管理体制が整っており、複数建屋を接続可能な構造を持っています。デモンストレーションに適した環境です。
ナチインギ・ホステル(Nakiyingi Hostel)
下水道未整備地域にある学生寮で、敷地が限られています。小スペースで設置可能な日本式浄化槽の特長を活かせるため、小型モデルの実証候補地として選びました。
ルジラ市場(Luzira Market)
既存の浸透槽(ソークピット)が機能せず、生活排水が周辺住宅地へ流出しています。衛生環境への影響が大きく、水環境省の施設にも近いため、効果検証に適しています。
マキンデ地区のアパート(24戸)
近年増加しているアパート型住宅の代表例です。既存の浸透槽が機能しておらず、排水が側溝へ直接流出しています。住宅向けモデルの検証に適しています。

選定された5施設は、用途や地形、排水特性の異なる代表的なケースを網羅しているので、将来的な浄化槽設置モデルの比較検討に有効なサンプルとなります。また、現在行っている水質検査の結果は、浄化槽単独で排水基準を満たせるか、あるいは追加対策が必要かを判断する上で重要な根拠となります。こうして、浄化槽設置候補地の選定プロセスをおこない、今後の最終候補地決定に向けた準備を進めています。
